神経性やせ症を疑ったらなにをする?

気づいたら、相談をされたら、面談することになったら

摂食障害情報ポータルサイト 学校での摂食障害対応指針より

学校と医療のより良い連携のための対応指針 

摂食障害に関する学校と医療のより良い連携のための対応指針です。エキスパートコンセンサスに基づき作成されており、小学校、中学校、高等学校、大学のそれぞれの現場での使用を想定した構成となっております。平成26年度~平成28年度において厚生労働科学研究費補助金(障害者政策総合研究事業〔精神障害分野〕)「摂食障害の診療体制整備に関する研究」の成果物として作成されました。

学校と医療のより良い連携のための対応指針 (クリックしてダウンロード)

エキスパートコンセンサスは専門家の50%あるいは70%が合意した対応基準を示したものです。

研究代表者 安藤哲也先生による「趣旨」(段落・太字など編集しています)

 ”摂食障害には生涯のうちに女性の約 10 人に1人、男性の約 100 人に 1 人がかか
る頻度の高い疾患です。青年期は、摂食障害が初発することが最も多い時期です。
また学童期から発症する場合も少なくありません。
摂食障害にかかると心身の成長・発達が妨げられることや、長期間にわたってその人の健康状態、個人、家庭、社会生活が影響される可能性があります。生命の危険や、骨粗鬆症などの後遺症の可能性もある重篤な疾患です。
摂食障害からの早期の回復のためには、できるだけ早いうちに、体重減少や症状が軽いうちに発見して対応し、治療することが大切です
摂食障害患者は自らが病気であるという認識や、その重篤さに対する認識が乏しいという特徴があり、そのためみずからすすんで援助や治療を求めようとはしない傾向があります
家族も子どもの摂食障害に気づいていないことが少なくありません。
日常的に児童、生徒、学生の心身の健康状態を観察・把握し、健康相談や保健指導に従事している養護教諭や保健管理担当者は、摂食障害を早期に発見し、早期に治療・支援につなげる上で、とても重要な立場にあります。
しかし、摂食障害が疑われる児童生徒、学生にどのように気づき、アプローチしたらよいのか、家族にどう説明したらよいのか、学校内の関係する教職員とどのような協力体制を作ったらよいのか、どうやって医療機関と連携したらよいのか難しい判断や対応を迫られることが多いことでしょう。
本指針がそのような場合の助けになることを、そして児童や生徒、学生の心身の健康と可能性ある未来を守るために役立つことを願っています。”               

本指針の目的は
生徒が摂食障害を発症してから専門的な治療が開始されるまでの期間が短縮されること
もしくは摂食障害を発症してから医療機関を受診するまでの期間が短縮されること
受診した時の重症度が軽減することです。
すなわち、発症後早期に、症状が軽いうちに医療機関で治療を受けられるようにすることです

つまり「もっと早く見出して、もっと早く対応を!」なのです。
そして医療につなぐには特有の困難があるので、つなぐまでの間の本人と家族へのかかわりにも段階ごとに注意すべき点やコツがあります。
「摂食障害だと思うから受診してください」
「はい、わかりました!」  とは 絶対にいきません。99%!
<受診勧奨の基準に達しないうちは医療につながない>という誤った基準のとらえ方も見受けられます。

スクールカウンセラーはどのように役割を果たせるでしょうか?
対応指針に沿って具体的なアプローチの例を挙げていこうと思います。

ちょうど秋の身体計測があったところでは、昨年あるいは春からの体重変化や身長の伸びをチェックできた頃かと思います。

1 成長曲線の体重が2チャンネルおちているとき
2 肥満率が15~20%以下    

   などは見つけやすいですが
3「もとが肥満」だとしても急激に体重を落としている
4 体重が変化せず、身長の伸びが鈍っている、もしくは停止している なども要注意です

これまでのコラム(摂食障害)も併せてお読みくださいね。