臨床心理士として子どもの排泄の困りごとに取り組む理由:便秘のこと②

コラム1でお伝えしましたように、<排便恐怖>のお子さんの悪循環には「強い恐怖心」がかかわっています。排便が「怖くない 気持ちの良いこと」と体験できるまでの道のりの中で、ご家族が孤立や無力感を感じることなく、子どもさんには「自分で克服できた」という達成感を感じられるように進めていくことが大切と思っています。

(松本資料 2019)

YouTubeチャンネルもあります。

ここでもご相談にのっている
中野美和子先生の著書「赤ちゃんからはじまる便秘問題」言叢社 の帯には

(出店:言叢社)

「うんちで頭がいっぱい!」のことばが・・。 

脳の中にうんちが溜まるってことじゃないですが、苦しんでいた子どもたちのことを考えるととてもよくわかります。きっとこんなふうではないでしょうか

「なんだかだるい・・きもちわるい・・おなかがおもたい・・またいたくなってきた・・あまりたべたくない、はきそう・・なんだがうんちがでそう・・出ないようにしなくちゃ・・・そわそわもぞもぞ・・ひやあせがでてきた・・はしってるうち出てきたらどうしよう・・このまえちょっともれちゃったし・・・ああどうしよう・・でもこわい・・・あたまがぼーっとする・・なんだっけ?・・・」

「ぼんやりしている、そわそわしている、元気がないなど」とみられていたお子さんが、重い便秘の改善によって、食欲が増し、顔色もよくなり、積極的で生き生きとし、見違える様子になることも経験してきました。


もうひとつ ご相談をお受けする中で大切に考えていることがあります。

子どもの便秘についてのある本のこと。(ご紹介はしませんが)イラスト満載でかわいらしく、役に立つところも多かったですが‥裏表紙に「子どもの便秘をなおすには ママが作る食事が9割!」と・・。

たしかに食事の工夫もとても大切です。だけど、小さいお子さんがいて仕事もして、帰宅から子どもが寝るまであっという間…。食事量が少ないのでとにかく好きなものでいいから食べてくれるだけでいい‥。白湯がいいとテレビでやっていたけど、一口しか飲んでくれない・・・。 トイレに付き合ってあげたいけどそこまで時間が取れない。声をかけても動かない。

などなど ご家族はお子さんのためにしたほうがいいといわれたこと、知ったことはやってあげたいと思っていらっしゃるのですが、あわただしい生活や子どもなりの主張があって思うようにいかないことは多いものです。

宿題をみて学校の準備を手伝い、抱きしめてね、たくさんお話を聞いてやってね、早く寝かせましょう、そのうえ便秘ははママの責任・・・こういうのを無理ゲーっていうんでしょうか。

なんでもママの責任、家庭のせいにするのはもうやめにして。あわただしい暮らしの中で、どうしたら何とか取り組めそうか。それをオーダーメイドで考えて試行錯誤すること、第三者が入ることでお子さんにも自ら取り組む姿勢が生まれること、親子だけでは思いつかなかったアイディアが浮かぶこと、ほかのご家族のご協力もお願いしていくこと・・こういったお手伝いをしたいと思っています。