夜尿症のあるひと、便秘していませんか?

6月1日~11日は「世界夜尿症ウィーク」

「国際小児禁制学会」が定める「世界夜尿症ウィーク」の期間、新聞などで子どもの夜尿症についての記事をご覧になったでしょうか。それにしても「禁制」ということば、「女人禁制(きんぜい)」とか「男子禁制」とかしか使ったことがないのですが・・。

そういえば、なぜ失「」?

調べてみますとcontinence は節制 自制 禁欲 というようにどちらかといえば生物的な本能的な現象の統制のことを指すことから、便や尿という排せつの強い統制のことを指すのでしょう。incontinence で失禁です。つまり「禁制を失った」から失禁なんですね。そういえば「感情失禁」などという言葉もあります。

形容詞のcontinentは「自制の 克己の」「排せつのコントロールができる」。名詞のcontinent はご存じの通り「大陸」で、その形容詞はcontinental.。とはいえ、夜尿を「地図を描く」と表現するのは偶然でしょうか。

夜尿症と便秘の深い関係

ところで タイトルの通り、夜尿症のある人とない人の便秘の割合を比較すると、夜尿のある人は、ない人の5倍便秘をしているそうです。便によって膀胱が圧迫されるから、というのは簡単に想像できますね。夜尿でなくとも、日中に頻尿になっていることもあるそうです。夜尿症に取り組むときに、排尿が頻繁な場合、回数を減らすように助言されることがありますが、このときもし便秘があるのだとしたら、まずその改善を先に考えるのが合理的かもしれません。不安感から来る頻尿とは異なるわけなので。

「自己肯定感」という言葉が盛んに使われますが、それは、なにかが得意だとか、ポジティブだとか、さまざまなイメージでしょうか。実は「自分をコントロールできている感覚」がとても重要なのです。コントロール、つまり自制、自分を制御できているという感覚ですね。つまり「失禁」は自己を統制できないという現象であるので、よい自己イメージを持ちにくいことは容易に想像できます。年齢とともに周囲に知られる不安や恐怖、恥の感覚にさいなまれることが増すでしょう。

「本人は平気な顔してます」「治そうといっても子供にやる気がありません」という声を聞くことがありますが、気にしていないような態度をとっていても、それは強がりだったり、自棄的な感情からかもしれません。

記録は〇(おねしょしなかった日)✖(した日)ではありません

「いろいろやってきました」という方は多いものですが、あらためて生活の様子を良く伺い、その状況や年齢に合わせた水分摂取のタイミングなどを相談する、記録をつける、ご褒美を設定する、などのみで短期間で変化がみられることも稀ではありません。
この記録のつけ方ひとつとっても、その紙はどこに貼る?スタンプ?シール?花丸?それは自分でやる?やってもらう?・・・ご褒美の内容と条件はどうしよう?・・・などなど時間をかけていっしょに考えて、試行錯誤をしていきます。生活ぶりをよく知り、何よりそのお子さんの人となりを知り、そのうえでお子さんや家族が持っている力と手を組むイメージです。

例:夜尿が全くなかったら◎ 少量あったら○ いつもどおりは何もつけない
*ケースバイケースですが △も入って四段階のこともあれば、はじめは〇と空欄の二択ということも。どちらにしても✖はつけません。

例:夜尿は「意志」ではコントロールできないので、「意志」で実現できることも設定して○をつけていくことも大事です。たとえば「お布団に入る前にトイレに入る」などです。既にやっていることでもかまいません。「塩辛いおやつは少しにする」などでもいいでしょう。

まずは主治医の先生への改めてご相談をして、再スタートしてみませんか。
ご相談にあたっては、「おねしょ卒業!プロジェクト」のサイトから、セルフチェック、相談シート、記録用紙などを利用してみましょう。

「おねしょ卒業!プロジェクト」 運営元:フェリング・ファーマ株式会社
宿泊行事へのアドバイスなど、きめ細かく具体的な助言がたくさん。
執筆の先生方から、「できることはたくさんあることを知ってほしい」という思いを感じます。